人事制度を実施するうえでの具体的なメリットと注意点について

人事

さまざまな企業で人事制度が実施されているのは、相応のメリットが得られるからです。今回はどのようなメリットが得られるのか、また実施する上での注意点について詳しく紹介します。

従業員から信頼される

人事制度はしっかりしている企業は、従業員から信頼されるというメリットがあります。従業員が「この会社なら安心して働ける」と思える環境であれば、離職率の低下も期待ができるでしょう。万が一の際に人員確保しやすくなるため、信頼は企業全体に大きな影響を及ぼすものなのです。 もし人事制度が全く整っていなければ、従業員の不満がどんどん募っていき、労働問題に発展する恐れがあります。最悪の場合は従業員が大量に離職してしまい、業務が成り立たなくなるリスクもあるため、人事制度によって信頼を得ることはとても大切と言えるでしょう。 もちろんただ人事制度を実施するだけでは、従業員からの信頼は得られません。あくまでも制度のそのものの内容を整えて、従業員が働きやすくすることが大切です。透明性のある評価が行われているのであれば、従業員が不満を抱く心配がほとんどなくなり、企業の信頼度も向上していくでしょう。

生産性とモチベーションが上がる

人事制度があると、従業員それぞれの業務態度にフィードバックができるため、今後どのように仕事をするべきなのかを教えられます。従業員にとっても、業務上の改善点が明確になるため、これまでよりも効率よく仕事ができるのです。その結果、生産性が向上していき、従業員のモチベーションも上がります。 人事制度は会社の目標がクリアになり、従業員が何をすべきかが明確になるというメリットもあります。つまり、仕事で具体的に何をすれば、評価されるようになるのかがはっきりするのです。何をしたら評価されるのか分からない環境で働くよりも、評価基準が明確な会社のほうが、従業員のモチベーションが高くなるのは当然のことでしょう。 また、定期的に従業員を正当に評価しているという点も、モチベーション向上深く関係しています。何をしても評価されない環境は、従業員にとって大きなストレスになるものです。制度を通して一人ひとりの頑張りを認めることで、生産性ややる気などがアップしていきます。

トレンドに流されて失敗しやすい

人事制度には、ファッションやグルメなどと同じように「トレンド」が存在します。たとえば近年では、従業員の部下や上司など、複数人がひとりを評価するスタイルの「360度評価」が流行しているのがと空調です。これまでは上司だけが人事評価をする仕組みが一般的でしたら、部下や同僚などの意見を聞くことで、その名の通り360度さまざまな方面の意見をフォードバックに活用できます。 このようにトレンドの人事評価は存在するのですが、それが自社に合った制度なのかは別問題として考えたほうがベターです。トレンドだからと言って優れた制度なのか、また自社のスタイルに合っているかは分かりません。流行っているからという理由で取り入れるのは避けたほうがよいでしょう。 たとえば360度の場合、日頃から現場が忙しい企業で導入してしまうと、制度がかえって従業員の負担になる恐れがあります。本業が疎かになるリスクもあるため、現場の負担にならない制度に切り替えるべきでしょう。

制度を実施する側のスキルが重要

人事制度の導入や実施にはメリットがありますが、実際に実施する従業員のスキルも重要です。もし十分なスキルが無い従業員が対応してしまった場合、十分に制度の効果が発揮されない可能性があります。たとえばただ表面的な評価をしただけで、従業員へのフォードバックがなされなかった場合は、かえって不満を与える結果となるでしょう。 制度を実施する前に、実施する従業員に最低限の知識を身に付けておくのがおすすめです。人事評価において何が重要なのか、従業員へどのようなフィードバックをして指導をすると良いのかなど、明確に指導をしておけば安心です。 制度と言っても具体的に何を目的に導入されているものなのか、よくわからないまま実施している授業員も少なくないでしょう。そもそも何のために制度が存在するのかも、併せて説明しておくと効果的です。

柔軟な評価が難しい

制度によってはある程度項目が決まっており、固定的な評価しかできない場合があります。この場合は従業員に対して柔軟な評価が難しくなり、形式的な印象を与えてしまうでしょう。 また、部署や仕事内容で評価方法や内容が異なってしまい、公平性が無い印象を与える場合もあります。これではせっかく制度を導入しているのに、従業員へマイナスイメージを与えてしまい、企業に対する信頼を失ってしまうでしょう。 もし公平性が無く負担が大きくなっている場合には、制度そのものの内容を見直しましょう。自社のスタイルに合ったものを選び、定期的に見直すようにすれば、制度の悪い部分を改善しながら実施できます。